ワールドカップ・南アフリカ大会前の最後の強化試合が6月4日、スイス・シオンのスタッド・ド・トゥビリオンで行われ、日本代表は0-2でコートジボワールに敗れた。
4月のセルビア戦から、5月の韓国、イングランド戦に続く黒星で、1998年6月の第1次岡田監督体制以来の4連敗となった。
E組初戦のカメルーン戦を想定して組まれた対戦に、日本は先日のイングランド戦と同じ先発メンバーで臨んだが、体格差で日本を上回り、身体能力が高くて技術もある相手に苦戦した。
5月26日からスイス・サースフェーで実施してきた高地トレーニングの疲れか、日本選手は立ち上がりから動きが鈍く、狙いとしていたボールをとってから前へ飛び出す「推進力」を発揮することはできなかった。
失点は前半13分、FWドログバのFKが壁に当たり、さらにそのボールがDF闘莉王に当たって角度を変えて日本ゴールに入った。
この5分後、闘莉王との接触プレーでFWドログバが右手を負傷して退場となるが、従来の身体能力と技術を活かしたプレーに、元イングランド代表のエリクソンを迎えて組織力を加えたコートジボワールに動揺はなく、チームとして統制のとれたプレーを続け、日本を苦しめた。
日本の良さが顔を出しかけたのは、前半28分。DF今野が右サイドから上げたアーリークロスにFW岡崎とMF本田がニアに走り込んだ場面と、試合終了間際にMF長谷部が右サイドから送り込んだクロスに、ファーサイドで闘莉王がヘディングに飛び込んだ場面。だが、いずれもネットを揺らすには至らなかった。
後半、日本は中村俊、中村憲、稲本の三人を投入して反撃を試み、後半4分には中村俊がFKから相手ゴールを狙うが、低い弾道のシュートはGKバリーにセーブされた。
その後も、DF駒野、FW玉田、FW森本をベンチから送り込むが、前半よりは相手がペースダウンしたこともあり、パスを回せるようにはなったものの、相手守備とゴールを破るにはいたらなかった。
コートジボワールは後半80分に加点。右サイドで得たFKに、K・トーレがゴール前で合わせて2-0とした。
岡田監督は、「コートジボワールは身体能力が高く、技術のあるチームで、カメルーンと同じレベル。流れの中でシュートを打たすことはなかったが、セットプレーで失点した。1失点はあり得るが、その後の攻撃が前半はボールを受けに来ず、選手の距離が遠くてボールが回らなかった。後半は、ボールは回ったが下がってしまった。もう少し走れないと」と話し、「ある程度、リスクを冒して出ていけるところは出ていけるようにしなければ」と言った。
なお、この試合後に行われた45分1本の練習試合では、FW永井のゴールで日本が1-0で勝利した。
代表チームは5日にサースフェーを出発し、ジュネーブから夜のフライトで南アフリカへ移動する。
犬飼会長コメント
4連敗ということは気にしていない。
カメルーン戦前にああいうチームとやれて良かった。
流れの中ではシュートはあまり打たれていない。
攻撃のかたちが作れなかったのが心配。もっと前や縦にいけばいいのに、あまり出なかった。
監督は、いい経験ができたので、コンディションを整えてベストな状態になるようにもっていくと話していた。
悲観しているような感じはない。
相手は仮想カメルーンとして最適だった。この試合で選手が体感できたことは大きい。