南アフリカではアジア株が上がりつつある。といっても、株式市場のではなく同国で開催中のワールドカップでの話だ。

 

 アジアの評判は、大会2日目に韓国がギリシャを2-0で退けたのに続いて、同4日目に日本がカメルーンを1-0で下し、その翌日の6月15日に北朝鮮がブラジルと1-2の健闘を繰り広げるという試合が続いて、右肩上がりだ。

 

 ヨハネスブルグのエリスパーク競技場で行われたブラジル戦で、北朝鮮は5-4-1の守備的布陣で臨み、ブラジルの攻撃を上手く抑えて前半を0-0で終了し、スタンドのブラジルサポーターからのブーイングを誘った。

 

 後半10分に左サイドを破られて、角度のないところからDFマイコンに決められ、その後も後半27分にFWロビーニョのスルーパスに反応したMFエラーノに追加点を許したが、試合終了直前にFW鄭大世の折り返しをMFチ・ヨンナムがペナルティエリアに持ち込んで左から叩きこんだ。

 

ある地元紙には”ultra defensive”(超守備的)と冷ややかに表現されたが、鄭によればFIFAランク105位が世界王者に挑みながら、勝機を求めた結果だったと話した。

 

「どういう戦い方をすれば勝てるか考えたときに、今日みたいなやり方がすごくはまっていた。前半までは自分たちのやりたいことはできていたし、相手に(ペナルティ)ボックスの外でプレーさせていたから狙い通りだった。それがああいう形で失点して…」と川崎フロンターレFW。「1点で試合(の行方)が決まると思っていたから、それが得点ではなくて失点という形になったのが本当に残念」と振り返った。

 

 だが、「2-0の負けより2-1の方が次につながる。可能性もまだ全然あると思う。状況は厳しくても僕らは自信を持っている」と強気の姿勢を崩さない。

 

 MF安英学も「1点取られて少し精神的に来たところはある。前半はいい形からのシュートもあった。多くはなかったけれど出来たと思っている」と手ごたえをつかんだ様子だ。

 

 昨年6月に1966年大会以来の出場を獲得して以来、鄭は「同じ対戦するなら強いところとやった方がいい」と、ブラジルとの対戦を望み、心待ちにしてきていた。

 実際に対戦した感想を訊かれた鄭は、「自分自身は実力を発揮できなかったし、やっぱりこれがブラジルだな」と感じたという。だが、こうも言った。「対戦できてよかった。世界一を体感したことで、この悔しさをバネに上を目指して行きたい。」

 

 G組は初戦を終えてブラジルが首位。1-1で引き分けたコートジボワールとポルトガルが続き、北朝鮮は4位発進となったが、キム・ジョンフン監督は言った。「勝てなかったが選手たちは勇敢に戦った。奪った1点には感激した。選手たちを誇りに思う。」

 北朝鮮は6月21日にポルトガル、6月25日にコートジボワール対戦する。