ワールドカップ決勝トーナメント進出をかけた6月24日のルステンブルクでのデンマーク戦を前に、日本代表・岡田監督は「ここまでやれることはすべてやってきた。是非突破したい」と抱負を語った。

 

 デンマークと勝ち点3で並びながらも、得失点差でE組2位につけている日本は、デンマークに勝つか引き分ければ、グループステージ突破が決まる。

 

 試合会場のロイヤルバフォケン競技場で前日練習を終えて会見に臨んだ岡田監督は、「明日の試合は、われわれにとっても日本サッカーにとっても大きな試合。ただ、できることは今のわれわれのベストを尽くすこと。今持っている力の全てを出すことだ」と話した。

 

 北欧の対戦相手とは身長を含めて体格差があり、得点も今大会は初戦カメルーン戦にMF本田が挙げた1得点止まりだが、指揮官はこれらのネガティブな指摘を一蹴した。

 

 「確かに身長の高さは彼らに有利になると思うが、われわれは背の高い相手とも対戦してきたし、背が高ければ常に勝てるというわけでもないと思う」と言い、「セットプレー、パワープレー、いろいろなことが考えられるが、それに対してやるべきことをやるだけ。あとは神様がそれでゴールを生むか生まないか決めてくれる」と話した。

 

 得点についても、「1点しかいれていないから本田だけだが、他の選手が入れることもありえる」と期待を示した。

 

 MF長谷部は「明日は本当に大事な試合。僕たちにとって人生を賭けた試合になる。勝ちに行きます」と力強く言った。

 

 「チームとしてここにきてまとまってきた。それは強みだと思う。出られない選手のサポートがすごい。能活さんがキャプテンとしていろいろと気を使ってくれる。次のラウンドに進むことは、日本サッカーに関わる全ての人にとってすごいこと。成し遂げたい」と話した。

 

 デンマークのオルセン監督は日本の今大会での戦いぶりは「驚くにはあたらない」と語り、それだけに自らの選手にはチームとして戦うことを求めた。

 

「ワールドカップが始まる前に、私は、日本がいい驚きを与えるチームの一つになるかもしれないと話していた。多くの人はアジアのサッカーについて知らないだろうが、私はここ数年間の日本の試合を追ってきている。いい試合をしているし、1年ほど前には強化試合でもいいゲームをしながらオランダに0-3で負けた。後半70分までは日本の方がよかった。それが日本チームの質を物語っていると思う」とオルセン監督。

 

さらに、「日本がベスト4進出を狙っていることは知っているから、明日はいい試合になるだろう。となれば、問題はピッチ上で選手がお互いをあてにできる存在足り得るか、団結の問題だ。そこが重要になる」と語った。

 

 同監督によれば、2枚目の警告で出場停止のDFキア(パレルモ)以外に、MFイエンセン(ブレーメン)は負傷欠場が決定。また、FWベントナー(アーセナル)も足の付け根のケガの影響で様子見状態にあり、出場は不明だという。なお、キアの代わりには、クロルドロップ(フィオレンティー)の出場が見込まれている。

 

 オルセン監督は、「私は自分のチームを信じている。だが試合では多くの要素が重要になる。いい日でも負けることすらあるのだから、明日はわれわれに幸運があることを願うよ」。