決勝トーナメント1回戦の敗退で2010年ワールドカップを終了した日本代表だが、MF遠藤は充実感を覚えた、自身初のサッカー界最高峰の大会の経験を振り返り、次大会での日本の成功のために一人ひとりの選手のレベルアップを求めた。
「最後は負けてしまったので満足はしていないですけど、充実した日々を過ごせたと思います」と、日本の全4試合に出場した遠藤は言った。
日本は大会4戦目となったパラグアイ戦で、120分間スコアレスの死闘を繰り広げ、惜しくもPK戦で涙をのんだ。
「(日本に)チャンスもありましたし、何度かピンチもあったけど、よく防いでいたと思う。でも点が入らないことには試合には勝てない。先に点を獲って、という展開にできればよかった」と最終戦を振り返った。
大会前の準備段階でチームは不振が続き、壮行試合を兼ねた5月24日の韓国戦には3-0で負けていた。流れを変えたかった岡田監督は、その次の5月30日のイングランドとの強化試合(於、オーストリア・グラーツ)から、それまでとメンバーや戦い方を変えて臨みむようになった、
そこで遠藤は、長谷部と阿部と共に中盤を任され、きっちり対応した。そしてそのやり方に手応えと勝機を見いだした日本代表チームは、そのまま本大会へ突入。E組初戦のカメルーンに1-0で勝ち、オランダには0-1で敗れたものの、デンマークを3-1で下して決勝トーナメントへ駒を進めたのだった。
遠藤は言う。
「監督も選手も、みんなよくコミュニケーションをとりながら、間違いなく一つになった。一人ひとりがチームのためにというのを感じられたチームだった。こういう戦い方で世界と戦えるということを示せたのは間違いない。監督が変わることでまたガラッと変わる可能性もあるが、日本の戦い方というのを確立させていければいい」。
最後の試合で足りなかったものを問われると、ガンバ大阪MFは、「精度。もう少し厚みのある攻撃をしたいと思ったし、ボールを回したり押し上げを増やせれば、もっとチャンスを作れたかと思う」と答え、さらに日本の課題として、「一人ひとりの能力をもっと高いところに持って行きたい。結局1対1で負けてしまえば、サッカーには勝てない。組織とかは間違いなく世界で通用すると思うので、一人ひとりがもっと成長することが大事」と指摘した。
それは、今年30歳になった遠藤自身が4年後のブラジル大会を目指すための課題でもあるという。
「代表というのは一つの目標。代表の試合で得るものはすごく大きい。しびれる試合をいっぱいしたので、それをまたしたいなと思う。今すぐに4年後のことは考えていないですけど、可能であれば何回でもチャレンジしたい」。