日本サッカーの最大の目標であるFIFAワールドカップも開幕まで残り4ヶ月あまり。サッカー王国・ブラジルで開催される今大会、現地で観戦される方も多いことでしょう。
ブラジルは南米最大の面積を占め、世界で5番目に大きい国です。中南部にはパンタナールの湿原があり、南東部は山岳地帯、北部はアマゾン河流域とブラジル高原があります。気候も熱帯雨林気候から亜熱帯気候まで幅広く、1年は概ね乾季と雨季に分かれますが、その時期は地方により異なります。感染症や風土病の流行には地域の違いがあり、医療水準も地域によって大きな格差があります。
生活習慣や文化も地域によって様々。その多様性がブラジルの魅力とも言えるでしょう。その一方で、近年では、貧困や麻薬などを起因とした犯罪も多発していますから、十分な注意が必要です。
ブラジルの衛生事情ですが、地方はもちろん都市部でも水道水は必ずしも安全ではありません。沸騰させた水かミネラルウォーターを引用し、種々の経口感染症の予防のためにはなるべく生ものは避けて火の通ったものを食べてください。手洗い、うがいは感染症予防に有効ですので常に励行するよう心がけましょう。
日本や米国、ヨーロッパから直接ブラジルに入国する際、予防接種国際証明書(イエローカード)は義務付けられていませんが、日本とコロンビアの試合が行われるクイアバは、世界保健機関(WHO)の黄熱予防接種推進奨励地域です。
黄熱は黄熱ウイルスによる蚊(ネッタイシマカ)が媒介する人畜共通感染症です。ヒトからヒトへの感染はありません。潜伏期は3~6日で、39度台の高熱と頭痛で発症し、筋肉痛、吐き気などのほか、黄疸や蛋白尿、皮膚や粘膜の出血症状を伴います。軽症の場合は7~8日で軽快しますが、20%は重症型で、急速に肝不全を伴って死に至る場合もあります。治療薬はなく、対症療法が主となります。ネッタイシマカは昼間に吸血することが多いので、外出時にはなるべく露出しない服装で、虫除けスプレーやローションを使用してください。日本で販売されているものは有効成分の濃度が低いので、海外で高濃度の製品を入手する方が、持続時間も長く、効果的なようです。
なお、黄熱ワクチンは接種から10日以降が有効で、有効期限は10年間。9ヶ月以下の小児は接種できません。また妊娠している場合も避けた方が好ましいとされています。また、ワクチンを接種できる機関は全国で27ヶ所しかありません。また、ワクチン接種後4週間は他のワクチンを接種することはできませんので、渡航が決まったら、早めに接種するようにしてください。
現地に関する最新情報や予防接種などの情報は、以下の外務省や厚生労働省などのホームページに掲載されています。
4年に一度のスポーツ最大のイベント、FIFAワールドカップ。安全対策の「知識」と「意識」をしっかり持って、現地での観戦をお楽しみください。
外務省 海外安全ホームページ | http://www.anzen.mofa.go.jp/ |
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(携帯版) | http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp |
在ブラジル日本国大使館 | http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/ |
厚生労働省検疫所(FORTH) | http://www.forth.go.jp/ |
外務省領事サービスセンター | 東京都千代田区霞が関2-2-1 |
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902 | |
外務省領事局政策課(海外医療情報) | 電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850 |