SAMURAI BLUE サッカー日本代表

代表活動日記RSS

[ 10.06.24 17:27 ]Views from South Africa ~ K’s travelling notes, 2 ~

ブブゼラの知らせ

 試合の途中で、突然、観客席からブブゼラの音が膨れ上がった。彼らの目の前でプレーしていた、ウルグアイとメキシコのどちらかにビッグチャンスがあったわけではない。ラステンバーグのロイヤルバロケン競技場の試合ではなく、その時、他会場で行われていた南アフリカ対フランス戦で、南アフリカが得点を決めたことを祝う笛の音だった。

 その場にいないにも関わらず、観客の反応は速かった。それもそのはず。スタンドの記者席にあるテレビモニターに映し出されていた南ア戦を、横目でチラチラと見ていた大会ボランティアらが、得点が決まると小躍りしながらサインを仲間に送っていたのだ。それに南アも携帯電話社会。SMS(ショートメール)で友人から伝令を受けた人もいたに違いない。見事な連携プレーだ。

 6月22日、A組の最終戦。得失点差で同組3位だった南アは、フランスに4-0にすればグループステージ突破が可能になる。前半途中までに2-0とし、その直後にもオフサイドだったもののフランスのゴールネットを揺らすという、期待を持たす試合をしていた。ラステンバーグの会場では、メキシコとウルグアイが勝負をかけた好試合を行っていたが、ボランティアや南ア関係者らの思いは、ブルームフォンテンの試合に飛んでいたようだ。

views_0624_2

 ブブゼラは、現在でこそ、南アのサッカーファンの定番応援グッズだが、もとは民族楽器だったという。それがどういうわけかサッカーの応援で使われるようになった。1メートル弱ぐらいの長いものが一般的なようで、ワールドカップ用には各国の名前やフラッグカラーが入ったバージョンが売られていて、町の商店などではウィンドウディスプレーにも活用されていて、大会ムードの盛り上げに一役買っている。

 だが、ワールドカップが始まるとすぐに、その使い方が問題になった。思い切り吹けば1本でも120デシベルを超える音を出すと言われている。大勢が一斉に吹き鳴らせば、隣の人との会話もままならない。それが、ホスト国である南アのメキシコとの開幕戦で、キックオフ前の国歌演奏時にもブ―プ―と鳴りやまなかった。翌朝のテレビのニュースでは、「国歌演奏時に吹き続けるのはいかがなものか」と取り上げられた。その一方で、南アの選手からは「吹き方が足りないから相手を圧倒できない。あれでは相手の応援になる」という注文が出た。日本の選も、試合中のベンチの指示もお互いの声も届かないという指摘していた。

 ブブゼラの音は1993年のJリーグ設立時のことを思い出させる。当時、日本サッカーリーグ(JSL)時代から用いられていたチアホーンという、20センチぐらいの応援用の笛があった。だが、チャンスにもピンチにもプープーと鳴らされるばかりで、どちらのサポーターが応援しているのか、プレーに賛辞を送っているのか非難なのか区別がつかず、どの試合の応援にもメリハリがなかった。騒音の問題もあり、また、各チームのカラーを出そうと使用禁止になった。

 ブブゼラは、南アのファンの応援スタイルとしては伝統的なものであり、尊重したい。だが、ドイツにはドイツの、イングランドにはイングランドの、日本には日本のサポーターが繰り広げる応援スタイルがあり、彼らそれぞれの応援がワールドカップの各試合に彩りを与えてきた。それが、どの国の試合でもブブゼラでかき消され、ブブゼラばかりが目立つ状況になっていて、少し残念な気もするのだが、それも南ア大会ならでは、ということなのだろう。あの野太いブーブーという音と共にこの大会を思い出すのは間違いない。

Views_0624_1
Views_0624_3

Text by Kumi Kinohara

カレンダー

  2010年6月  
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

PAGE TOP

JAPAN NATIONAL TEAM PARTNERS
  • Official Sponsor
    • KIRIN
  • Official Supplier
    • adidas
  • Supporting Companies
    • Audi
    • セゾンカード
    • FamilyMart
    • JAL
    • コナミデジタルエンタテインメント
    • 三井住友海上
    • みずほフィナンシャルグループ
    • SONY
MATCH SPONSOR
  • 朝日新聞