18日はキャプテン長谷部の誕生日だった。
気分転換も含めてチームで外出し、現地の日本食レストランで食事。
最後は誕生日ケーキを手に、マウリツィオGKコーチが現れる演出があり、
笑顔の長谷部が一息でローソクの火を吹き消すと、全員から一体感ある拍手が湧き起こった。
思い起こせば昨年の10月末。
U-21日本代表キャンプ練習後、選手たちは一斉に関塚監督に水をかけ、誕生日を祝福した。
最初は驚きを隠さなかった関塚監督も、最後は満面の笑顔。
立ち上げ間もないチームが一つにまとまるきっかけになった瞬間だった。
そして、その1か月後には中国で開催されたアジア大会で、金メダルを獲得している。
祝い事はいつでも雰囲気を良くするもの。
長谷部だけでなく、25日に今野、28日に遠藤、30日には岩政、と誕生日ラッシュ。
U-21代表の例が定説であるならば、まさに優勝街道まっしぐら、といったところだろう。
サウジアラビア戦を欠場した本田圭も18日、19日の練習に全面参加。
完全復活したレフティーは、「もっとやって、いい結果を出したい。
アウェーの雰囲気をモチベーションに変える」と、充実した表情を見せた。
ポジション争いも激化している。
特に攻撃は、早期復帰した本田圭のみならず、
前の試合で3得点した岡崎、2得点の前田を始め、ドイツで才能を開花させた香川、
Jリーグ終盤の12試合で11得点した爆発力ある李などのタレントが揃う。
誕生日の長谷部を優しく見つめたザッケローニ監督も、翌日の練習では一変。
選手たちへの視線は鋭く、その眼光は光っていた。
そんな指揮官の姿勢が、ピッチ内外で理想的な雰囲気を作り出している。
(日本代表チームスタッフ)