2003年から約8年間、日本代表を影から支え、腕を振るってきた西シェフ。
23日、遠征中に初めて誕生日を迎え、49歳になった。
食事会場でのライブクッキングこそが西シェフにとっての試合会場。
真剣な表情でフライパンを振り、絶妙な茹で加減のパスタは絶品だ。
母国に引けを取らないその味に、ザッケローニ監督を始め、他イタリア人コーチ陣たちも、
「いつもおいしいパスタをありがとう。感謝している」と大絶賛。
異国の地で戦う彼らにとって、西シェフの存在はどれだけ頼もしいことだろうか。
長い遠征になればなるほど、選手たちにとっての楽しみは食事。
バイキング形式で並ぶ料理に舌づつみを打てば、
その食卓には自然と笑顔が満ち、笑い声が絶えない。
その瞬間が、選手たちのコンディションだけでなく、彼らの表情や雰囲気を読みながら
献立を思考する西シェフの至福のときとなっていることだろう。
昨年暮れのキャンプから考えると、約1か月が経過し、ずっと走り続けてきた選手たち。
今遠征で初のオフなった今日。それぞれが久しぶりにゆっくりと流れる時間と、
変わらぬ最高の味を楽しんでいた。
いつもはブラウン管を通じて戦況を見つめる西シェフも、決勝戦はスタジアムで観戦予定。
サムライブルーに欠かせない料理人は、「若いうちは楽しまなきゃいけない」と言う。
準決勝の相手はライバル韓国。
日韓戦の独特なプレッシャーや雰囲気を選手たちには楽しんでプレーしてほしい。
そして、決勝の舞台で西シェフに最高の試合を披露してくれることだろう。
(日本代表チームスタッフ)