劇的な日韓戦での勝利の余韻(よいん)に浸る間もなく、
アジアカップ決勝戦に向けて雰囲気は高まってきている。
ただ決勝の舞台に立つだけでは意味がない。
本田圭は「(決勝で)勝つのと負けるのでは、天と地の差がある」と、
一切気を抜いてはいない。
今大会は非常に若いチームとなっているが、
最高の一体感を表現した南アフリカW杯のサムライブルーに一歩一歩近づいている。
しかし、残念な出来事があった。
チームの中心選手に成長しつつあった香川が右第5中足骨骨折で戦線離脱。
韓国との試合中、ターンをした際に負荷が掛かり、折れてしまったという。
ライバル韓国から得た勝利の代償は、想像以上に大きいものとなってしまった。
27日の早朝にドーハを発ち、ドイツに向かう香川。
今は早期復帰を祈るばかりだが、
必ずまたサムライブルーのユニフォームに袖を通し、
再び雄姿を見せてくれることを信じて疑わない。
いかなる状況でもサムライブルーは歩みを止めてはならない。
決勝は2日後。日韓戦で今大会2度目のMVPに輝いた本田は、
「内容にこだわった、日本らしいサッカーをする」と、
早くもアジア王座奪還へ、静かに闘志を燃やしていた。
(日本代表チームスタッフ)