6月15日
ヨハネスブルグからジョージに空路移動。
機内の車窓からジョージの海岸線が見えた。緩やかな起伏がある陸地は生きているようで、息をするとその表面が動きだしそうである。その動物の腹のような海岸線は大きな体をそのまま海に浸水させている。
空港からメディアセンターに行き、パスをもらい、向かいにあるグランドで代表の練習を見る。犬飼会長や代表チームに同行していたJFAスタッフとこちらに来て初めて会い、みんなと昨日の勝利を喜び合う。しばらく喜んでいなかったせいか、まだまだ始まったばかりのせいか、練習グランドで選手がトレーニングしている目の前のせいか、なんとなくぎこちないながらも、精一杯喜び合う。このような喜びは一人では表せないものであることが良く分かる。同じ喜びを持っている人と出会った時に、その喜びエネルギーは体外に発信されるが、そのラインが最近使っていなかったということであろう。この日の練習は先発以外の選手のみのであった。
練習後岡田監督に声をかける。最初の声かけはやはり「よかったね!勝ったね!」だった。なんて声をかけようかなと練習見ながら思ってはいたのだけれど、思わずでた言葉は正直な気持ちがそのままでした。選手たちはランニングが終わって、シャワーを浴びてプレスセンター内で取材に対応してから宿舎であるファンコートに向かう。岡田監督も今日は取材を受ける予定であるようだ。選手を先に行かせるため、岡田さんはシャワーを浴びない分しばらくベンチ裏で待機である。その時間をしばらくいただいていろいろ話をする、内容は長期出張先に訪れた会話のお決まりパターンをいくつか話した後、オランダ戦の話になる。
オランダチームのビデオをコーチ陣と夜遅くまで見まくっている。標高差の話になり、高地トレーニングの話。宿舎でも低酸素ボンベでトレーニングしているという話。ファンコートは広いという話、快適だがネット環境がいまいちの話。廊下は通じるらしいというあいまいな話。そこまでしたくないという話。徐々に雑談へとフェード。岡田さんは普段と変わらずとても元気そうであった。昨日までの岡田さんの様子は計り知れないので、当然昨日の勝利のせいで普段通りになったということなのかもしれない。勝利がこの時間を作っているということは確かである。私も同様、勝ち点3があるからこの時期にもかかわらず岡田さんと雑談が出来るということである。「さて記者の取材を受けに行ってくるか」とスタジアムを後にした岡ちゃんであった。
ファンコートに夜8時半に犬飼会長に会いにいく、プレスセンターから車で15分ほどのところにある広大な敷地を持つ施設である。厳重なチェックがあり、訪問者の名前も車両ナンバーも前もって届けておかないと入れない仕組みになっている。地元のドライバーも入るのはとても難しく自分も初めて入るといいながら、夜道のせいかキョロキョロしながらファンコートの中をどちらがレセプションなのかと探しながら運転している。
ラウンジでスタッフとともにブラジル対北朝鮮の試合を見ながら、日本チームの話をしながら、今後のマッチフラッグの話を報告しながら時を過ごす。今回のチームの団長でもあるけれど、マッチフラッグのJFA内での母体でもある広報委員会の委員長でもある大仁さんと原さんも途中から加わる。
(文責:日比野克彦)
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