6月23日 デンマーク戦前日ワークショップ
朝10時、日本からのデンマーク戦を応援しに来たサポーターが30人程ホテルに到着する。
香港経由で5日間のツアーの人たちである。西鉄旅行社の方からの案内の話があった後、「今日これからデンマーク戦のマッチフラッグのワークショップを行います、時間のある方は参加してください」と呼びかける。今日のことは成田空港でみんなに案内のチラシが既に配られていたので、「早速参加します!日比野さんお疲れ様です!」と反応が良い。サポーターたちがアウェーの地で会うと必ず「お疲れ様です!」と声を掛け合う習慣がある。これはあまり国内での代表の試合では聞かない。互いにアウェーの地まで、こんなに遠くの地までよく来ました、一緒に応援していきましょう!という気持ちが日本から行きにくいところになればなるほど、この声がかかる確率は高くなる。遠路はるばる時差ボケもあるなかお疲れにもかかわらず、早速ワークショップが始まる。
ここで行うのは13日のカメルーン戦の前日に続き2度目である。ホテルマンもわれわれも要領よくテーブル・椅子を片付けて場所を作り、デンマーク戦のマッチフラッグを広げる。17日にジョージの練習場で全部繋げて広げた状態のまま持ってきたので床が一気に絨毯のようにマッチフラッグで覆われた。
東京町田から来れれている婦人は、カメルーンとオランダのチケットも買っていたそうだが、5月末の日韓戦があまりにふがいなくて行くのはやめた!と一度は決めたのだそうだ。しかしカメルーンに勝ち、オランダ戦に0-1での試合に、いてもたってもいられなくなり、「デンマーク戦のチケットも買っていたので、やはりここにきて応援することにしました」と。青い着物を着て応援しようと思っていたのですが、娘さんから反対されたそうで、その理由が、いざとなったら走って逃げなくてはいけないから、とのこと。隣で立ち聞きしたとしたら、なんとも不思議度100%の母娘の会話です。
東京から来た女性はこう語ってくれました。「私はデンマーク戦のチケットを買っていたのだけれど、いつも行く周りのみんなが、やはり危険だから行くのはやめる、と言い始めて、私も一人で行くのはどうしようかと思いながら、ぎりぎりまでキャンセルをするのをキャンセル料が取られない日までまったのだけれど、その期日が過ぎてしまったので、もったいないから来ましたという感じなんですが、行きたくないわけではなく、行けない理由が危険そうだからだけでは自分では納得できずにいました。なにか行く理由が欲しかった感じでなんですかね」。
13日のカメルーン戦前日の時にここで会ったサポーターたちとはまた違った心持で来ている人たちが揃っていた。今日着いた人たちはカメルーン戦を日本で テレビで見た人たちである。それからこちらに来たのだから、南アフリカへの「行くぞ!」という気持ちは、テレビで見たあの南アフリカへ行くぞ!」という映 像というバーチャルを自分の行動力で現実というリアルにするということが明瞭なだけに、一段ときつい想いがあるような気がする。
マッチフラッグの様子。闘莉王選手のお母さんも参加してくれました。ムービー内ではインタビューが見られます。
(文責:日比野克彦)
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